◆8割以上が「仕事への『エンゲイジメント』の向上は組織に必要」
人事労務の役職者と一般のビジネスパーソンに対して、株式会社アドバンテッジリスクマネジメントが今年10月に実施した「仕事へのエンゲイジメントに関する調査」によると、人事・労務役職者、ビジネスパーソンともに8割以上が、「『エンゲイジメント』の向上は組織にとって必要だ」と答えていることがわかりました。
◆『エンゲイジメント』とは?
この『エンゲイジメント』とは「ワーク・エンゲイジメント」といい、従業員の心の健康度を示す概念の1つで、「個人がポジティブな感情を持って、仕事に対して自主的・精力的に取り組んでいる状態」と定義されています。
オランダ・ユトレヒト大学のシャウフェリ教授によって、「バーンアウト」(燃え尽き症候群)の対概念として提唱されたもので、ワーク・エンゲイジメントの高い人は、「意欲と活力にあふれ、仕事に積極的に取り組む」という特徴を示すそうです。従業員に高い生産性を求める企業側としては、そのような従業員の増加を望むことでしょう。
◆ワーク・エンゲイジメント向上のために重視する点
同調査において、従業員のワーク・エンゲイジメント向上に重要だと思う項目について、人事・労務役職者、ビジネスパーソン両者の回答の上位は、次の通りでした。(人事・労務役職者=人、ビジネスパーソン=ビ)
◎上司、部下、同僚間での信頼関係が構築されている…(人62.8%/ビ50.8%)
◎コミュニケーションがとりやすい、円滑である…(人60.2%/ビ46.0%)
◎会社の方針(ビジョン・事業内容)が共有されている…(人53.4%/ビ34.6%)
◎仕事の成果を、正当に評価してもらえる…(人37.5%/ビ40.1%)
◎雇用の安定性がある…(人28.8%/ビ27.2%)
◎メンタルヘルス対策に取り組んでいる…(人22.7%/ビ21.4%)
両者間でいくつかのギャップが見られますが、従業員が重視する項目を適切に捉えたうえで企業の人事・労務体制を整備していくことが、必要になってくるでしょう。