◆改正法で労働条件に関する説明を義務化
改正パートタイム労働法が来年4月1日から施行されます。
改正により、事業主は、パートタイマーの雇入れ時や契約更新時に労働条件(賃金の決定方法、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用、正社員転換等の措置内容等)について説明する義務を負うこととなります。
パートタイマーを同時に複数雇い入れたりする場合には、個々に説明する方法ではなく対象労働者を集めて説明会を開催する等の方法によって説明することも認められますが、労働条件は文書等(電子メールやFAXでも可)によって交付しなければならず、これに違反した場合は10万円以下の過料に処せられます。
◆労働条件通知書の変更箇所は?
今般、厚生労働省が示すモデル労働条件通知書の様式が法改正に合わせて変更となり、同省のパンフレット「パートタイム労働法のあらまし」に掲載されています。
具体的には、新たに「雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口」を記載するスペースが設けられました。
この「相談窓口」は、改正法により、パートタイマーからの相談に対応するための体制整備が事業主の義務とされたため、パートタイマーを雇い入れているすべての事業主が対応にあたる担当者または担当部署を決定して、整備しておかなければなりません。
◆労務管理に関する疑問は早めに相談を
「平成26年版労働経済白書」によれば、2013年の非正規労働者の割合は36.7%で、10年前と比較して6%増え、人数で見ると約400万人増加しています。
非正規労働者の増加に伴い、正社員との労働条件の差異等について不公平感を感じるパートタイマーと事業主の間でトラブルとなるケースが増えており、パートタイム労働法が改正された大きな理由の1つはこの問題を解消するためです。
来年4月1日の施行を控え、パートタイマーの労務管理に関する疑問や不安がある場合は、早めに専門家に相談し、トラブルの予防に努める必要があると言えます。