◆「有期雇用特別措置法」とは?
2013年4月施行の改正労働契約法により、有期雇用契約を反復更新して契約期間が5年超となった有期雇用労働者には「無期転換申込権」が発生することとなりました。
有期雇用特別措置法は、特定の有期雇用労働者について、契約期間が5年超となった場合でもこの無期転換申込権が発生しないこととするものです。
本法は、2014年11月21日に臨時国会で成立、同月28日に公布され、2015年4月1日より施行されます。
◆「特定有期雇用労働者」とは?
本法特例の対象となる労働者は、(1)一定の高度専門的知識等を有する有期雇用労働者と、(2)定年後に有期契約で継続雇用される高年齢者です。
(1)は、年収1,075万円以上の一定の国家資格等を有する有期雇用労働者で、「5年を超える一定期間内(上限10年)に完了することが予定されている業務」に就く者です。
また、(2)は、再雇用や継続雇用の対象として、定年を過ぎて有期契約で雇用される者です。
◆対象労働者と認定されるための手続き
(1)については「第一種計画認定申請書」および対象労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置を実施することがわかる資料(労働契約書、就業規則等)を、また、(2)については、「第二種計画認定申請書」および対象労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置を実施することがわかる資料(契約書・賃金規程・就業規則等)を、管轄の労働局長に提出します。
いずれも基本指針に沿った対応がとられると認められた場合に認定されることとなります。
なお、措置の実施については、労働局長に対する報告の徴取により確認がなされることとなります。
◆対象労働者への対応
省令により、書面の交付による労働条件の明示が定められ、明示すべき内容も列挙されますが、実務上は、モデル労働条件通知書を参考に作成し、対象労働者に内容を説明したうえ、交付することが必要です。
認定申請については、事業主に代わって社会保険労務士が事務代理をすることもできますので、書類の作成や手続きについて不安があれば、ご相談ください。