◆厚労省への通報が約1万8,000件!
国土交通省は、平成24年11月から平成27年3月末までの建設業許可行政庁による社会保険等加入状況の確認・指導件数の状況を公表しました。建設業許可申請、経営事項審査申請、立入検査等の累計申請件数31万413件のうち、3万9,177件(12.6%)が加入指導の対象となりました。
加入指導を受けた業者のうち1万3,710件(35.0%)は加入しましたが、1万8,080件(46.1%)は加入しなかったため、厚生労働省の担当部局へ通報されました。なお、7,387件(18.9%)は指導中または加入確認待ちとなっています。
通報された業者は加入指導を受け、それでも加入しない場合は建設業許可部局から建設業法に基づく指示処分が出され、最終的には営業停止処分が行われることになっています。
◆平成29年度までに加入率100%目標
近年、建設業では下請企業を中心に、法定福利費(社会保険料)を適正に負担しない企業があり、また、技能労働者の処遇の低さ、若年入職者の減少が問題となっています。
こうしたなか国土交通省は、社会保険未加入対策として平成24年11月から加入指導を強化し、平成29年度までに「加入率100%」の目標を達成するため、以下の取組みを行っています。
・建設業許可部局における建設業許可・更新申請および経営事項審査ならびに立入検査時に加入状況を確認し未加入業者に対し加入指導を実施
・加入指導に従わない場合は厚生労働省の社会保険等担当部局へ通報
・国土交通省直轄のすべての工事において、下請業者の加入状況を確認し未加入業者がある場合には建設所管部が加入指導を実施
◆今秋より加入指導の事前通知を送付
国土交通省は、来年1月以降に更新期限を迎える未加入業者に対し「事前加入指導通知」を送付し、今秋以降に前倒しで加入指導を実施することを決定しました。
また、新規に許可申請した際に未加入であったり、発注部局から建設業許可部局に通報があったりした場合は、直ちに厚生労働省に通報するとのことです。