◆中高年齢者の転職・再就職調査
45〜74 歳の中高年齢者を対象とした転職・再就職に関する実態、意識などについての調査(中高年齢者の転職・再就職調査)が行われ、その結果が独立行政法人労働政策研究・研修機構より公表されています。
平成25年4月より65歳までの継続雇用が義務化されているところですが、離・転職する中高年齢者の実態が垣間見える内容になっています。
◆調査の概要
調査対象は6,000人(45歳〜74歳までを男女別、年齢5歳区切りに各500人)で、有効回収率は89.3%でした(調査機関:株式会社インテージリサーチ)。
男女とも、調査対象者の約6割が転職経験を持っており、転職経験者の平均転職回数は、男性が2.4回、女性が2.7回となっています。
転職に際して利用した機関・サービスについての回答(複数回答)では、「縁故」約4割、「求人情報誌等」3割強、「ハローワーク」3割弱などとなっています。
◆転職者の希望等
転職先の選定理由については「仕事の内容に興味があった」や「能力・ 個性・ 資格を生かせる」等は男女でそれほど違いがありませんでしたが、男性に少なく、女性で目立って多いのは「通勤が便利」「労働時間、休日等の労働条件が良い」の項目でした。
転職を希望しながら実際には転職しなかった人が挙げた理由(複数回答)は、男女ともに最も多いのは「新しい環境に不安だったから」(約4割)となっています。
◆雇用形態に関する希望、雇用率
今後の転職で希望する雇用形態は60歳未満の男性は約6割が「正社員」を希望している一方、男性の60歳以降では3〜4割程度、女性全体では6割程度が「パート・アルバイト」を希望しています。
また、「55〜59歳」「60〜64歳」での転職者の場合、就業率は30%強程度ですが、雇用率は「60〜64歳」では転職経験のない人の3倍(31.8%)に達しています
◆60歳以上での転職の満足要因
60歳以上での転職では、自分の興味等に合った仕事を選ぶことが満足度を高めるようです。
転職の満足度の規定要因としては、60歳未満では「賃金の低下」が主要因ですが、60歳以上では賃金の低下による影響は見られず、「自分の興味、能力、個性、資格等に合った仕事を選ぶ」ことが満足度を高める要因となっています。