◆検討会が報告書を発表
厚生労働省では、昨年7月に「職場における受動喫煙防止対策に関する検討会」を立ち上げ、今年5月にその検討会が報告書をまとめました。今後、この報告書をベースに、労働安全衛生法の改正案が国会で審議される予定となっています。
この改正案が成立した場合、飲食業・サービス業などにとっては大きな負担が強いられることとなりそうです。
◆これまでの対策の流れ
職場における受動喫煙防止対策については、平成4年以降、「労働安全衛生法」に定められた快適職場形成の一環として進められました。その後、平成15年に「健康増進法」が施行され、平成17年2月に「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が発効するなど、受動喫煙を取り巻く環境は大きく変化しています。
また、健康志向の強まりや受動喫煙の有害性に関する知識の普及などから、職場における受動喫煙に対する労働者の意識も高まりつつあります。
◆受動喫煙防止を事業主の「義務」へ
このような環境の変化から、現在、企業に対して強く「受動喫煙防止対策」を求める流れになっています。
そして、職場における受動喫煙防止について、従来の「快適職場形成のため」から「労働者の健康障害防止のため」という観点に切り替え、職場における受動喫煙防止を事業主の「義務(罰則付き)」とする法改正が予定されているのです。
◆今後の審議状況に注目
今後のあり方として、事務所、工場等では「全面禁煙」「喫煙室を設けそれ以外を禁煙」とすることが求められ、飲食店、ホテル・旅館等においては、原則として「全面禁煙」「喫煙室を設けそれ以外を禁煙」とすることが必要とされ、それが困難な場合は喫煙区域の割合を少なくし、喫煙区域からの煙の漏れを防ぎ、換気等を行うように求められる方向です。
多くの企業に影響を与えることとなりそうな法改正のため、今後の改正案の審議状況が気になるところです。