◆長時間労働の是正が喫緊の課題
現在、国を挙げて“働き方改革”に取り組もうという動きがありますが、特に長時間労働の是正は待ったなしの問題だと言えます。
今年6月に閣議決定された『ニッポン一億総活躍プラン』においても、「『睡眠時間が少ないことを自慢し、超多忙なことが生産的だ』といった価値観が、この3年間で変わり始めている。長時間労働の是正は、労働の質を高めることにより、多様なライフスタイルを可能にし、ひいては生産性の向上につながる。今こそ、長時間労働の是正に向けて背中を押していくことが重要である」とされています。
◆EU諸国では義務化
そんな中、長時間労働を是正する手段の1つとして注目されているのが、「勤務間インターバル」です。
この制度は、その日の勤務終了時から翌日の勤務開始時までに、一定時間(インターバル)を設けることにより、強制的に休息時間を確保するものであり、EU諸国では「24時間につき最低連続11時間の休息時間」が義務化されています。
日本でもこの制度を導入しようとする動きがあり、自民党の「働き方改革に関する特命委員会」は、今年中にまとめる予定の中間報告に「勤務間インターバル」の導入を進めるための環境整備に取り組むことを明記する方針を示しています。
◆関連助成金が創設予定
また、厚生労働省からは、「勤務間インターバル」を導入した中小企業に対して助成金を支給する方針が発表されています(平成29年度からの予定)。
助成の対象となるのは、「就業規則等の作成・変更費用、研修費用、労務管理用機器等の導入・更新費用等」であり、助成率は費用の4分の3(上限50万円)となっています
その他、導入事例集の作成や各種広報等により幅広く制度の周知を図る方針も示しており、今後ますます注目が集まりそうです。