◆ガイドライン策定の背景は?
経営者の高齢化が進み、多くの中小企業が事業承継を迎える時期となってきましたが、日本の経済を支える中小企業には、蓄積されたノウハウや技術が多く存在します。
その価値を次世代に引き継ぎ、世代交代によるさらなる活性化を実現していくために、円滑な事業承継は極めて重要です。
中小企業庁では、近年の中小企業を取り巻く状況の変化を踏まえた事業承継のあり方を議論する場として「事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会」および「事業承継ガイドライン改訂小委員会」を立ち上げ、昨年12月に「事業承継ガイドライン」が公表されました。
◆ガイドラインの内容は?
本ガイドラインの主な内容は、以下の3点です。
【1】事業承継に向けた早期・計画的な取組の重要性(事業承継診断の導入)
60歳を着手の目安とした早期取組の重要性を明記するとともに、事業承継に向けた早期かつ計画的な準備への着手を促すツールとして、事業承継診断を紹介しています。
【2】事業承継に向けた5ステップの提示
円滑な事業承継の実現のために、下記のステップを経ることが重要とされています。
・ステップ1:事業承継に向けた準備の必要性の認識
・ステップ2:経営状況・経営課題等の把握(見える化)
・ステップ3:事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)
・ステップ4:事業承継計画の策定
・ステップ5:マッチングの実施
・ステップ6:事業承継/M&A等の実行
【3】地域における事業承継を支援する体制の強化
各都道府県において地域に密着した支援機関をネットワーク化し、支援拠点や支援センター等と連携する体制の整備を国のバックアップのもと進めます。
各支援機関においても、個々の事業者の課題に応じた支援を実施しています。
◆それぞれの課題に応じた有効な活用を!
本ガイドラインはすべての中小企業を対象に作成されたものですが、個々の企業により問題も課題も異なりますので、必要な箇所をピックアップして活用することが望まれます。