◆若年失業者は約50万人
現在、若年失業者(15〜24歳)の数は約49万人で、このうち学校を卒業後、一度も就職しないまま失業者になっている人は約12万人に上るそうです。
この年齢層の失業率は8.0%(今年9月時点)で、25〜34歳の層でみても5.9%と全世代の平均を上回っており、厚生労働省では「若年雇用は予想以上に厳しい」としています。
また、就職できた若年層についても、手取り収入が減少しています。厚生労働省の調査をもとにした20〜30歳代の平均年収(大学卒・大学院卒の男性)の推計は、2009年は前年比4.2%減の478万円となり、3年連続のマイナスでした。10年前と比較すると34万円も減っています。
これは、業績低迷でボーナスが減ったり、賃金の低い非正規雇用の仕事に就かざるを得なかったりする人が多いためと考えられます。
◆非正規雇用社員の男性の既婚率は17%
厚生労働省の資料を基に試算すると、今年9月までの12カ月の累計結婚数は69万組台で、このままいくと、2010年は通年で23年ぶりに70万組の大台を割り込むようです。
20〜39歳の男性では、正規雇用社員は約51%が結婚していますが、非正規雇用社員では約17%となっています。
2005~2008年に結婚した40歳までの男性を、結婚時点の所得階層別にみると、年収400~500万円では26.0%が結婚していますが、100万円未満は8.9%しか結婚していません。
◆「将来への不安」が少子化に影響
上記のように、仕事や収入が安定している若年者は結婚・独立がある程度容易ですが、非正規雇用や低収入の若年者は、親元から離れることができない状況にあります。
その結果、若年層の結婚数が減り、出生率も低迷し、少子化が一段と加速していく可能性があります。
経済や社会保障への影響を考えると、政府の若年者に対する雇用改善政策が急務だと思われます。