オフィスレポート
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作成日:2011/12/26
二国間で締結する「社会保障協定」とは?



◆日本とブラジルが協定締結

先日、日本政府とブラジル政府が、「社会保障協定」を締結し、来年3月1日に発効させることで合意(公文を交換)したとの報道がありました。

ブラジルの在留邦人数(平成22年10月1日現在)は5万8,374名であり、多くの人に影響を与えると言われていますが、この「社会保障協定」とは、どのようなものなのでしょうか。

◆社会保障協定の目的は?

この社会保障協定の目的は、「二重加入の防止」と「保険料掛捨ての防止(年金加入期間の通算)」です。

近年、日本の事業所から海外にある支店や駐在員事務所などに派遣される日本人が増加していますが、このような海外に派遣される人については、年金制度をはじめとする日本の社会保険制度と就労地である外国の社会保険制度にそれぞれ加入し、両国の制度の保険料を負担しなければならないことがあります。これが「二重加入」の問題です。

また、派遣期間が比較的短い場合、外国の年金制度の加入期間が短いことから、年金が受けられないなど、外国で納めた保険料が結果的に掛け捨てになってしまうこともあります。これが「保険料掛捨ての問題」です。

上記のような問題を解決するため、二国間で社会保障協定を締結することにより、年金制度等の二重加入を防止するとともに、外国の年金制度の加入期間を取り入れ、年金が受けられるようにするものです。

◆ブラジルで13カ国目

現在、日本と社会保障協定を締結し、すでに発効済みの国は、ドイツ、英国、韓国、米国、ベルギー、フランス、カナダ、豪州、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランドの12カ国で、ブラジルが13カ国目になります。

なお、多くの日本人が駐在している中国とは、現時点で協定を締結しておらず、今後は保険料の二重払いの状態が生じることになりそうです。

日本政府は、協定締結に向けて10月中旬に中国政府と交渉を開始したそうです。

 
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